□  スタバで待合わせ                             平成14年6月26日



 喫茶店の数が、都市の成熟度を測るのに文化会館、駅、ホテル等と同列に論じられることはあまり知られていない。

 六本木のアークヒルズの‘スタバで待合わせ’。今一番トレンディな会話かもしれない。毎週出かけている田町。慶応大学三田校舎もあるせいか、喫茶店の数は多い。駅から殆んど、スターバックスも含めてシスコ系、イタリア系のスタバ系の喫茶店に様変わりした。何年か前まではこげ茶色系の木質の珈琲専門店か無機質にデザインされた喫茶店が主流だった。スターバックスの勢いは止まらない。2004年までに全国で500店舗展開する計画だそうだ。決して一杯のコーヒーは安くはない。豊富なメニューの中から原則セルフサービス。濃い目にするとか、甘味を効かせるとかは自由。長い時間をかけて本を読んでいても気にならない。居心地がいいのである。

 スターバックスコーヒージャパンのCEO(最高経営責任者)が葉山の日影茶屋を建て直した経営者だとは知らなかった。Voice2月号(PHP出版)での格式と伝統のある超有名な料亭の再建までの「破壊」と「創造」の話は面白い。蔵の中で眠っていた輪島塗の古い弁当箱を葉山や鎌倉のお寺の弁当に使ってみると大評判だったこと。企業の経営状況を予測して旅館業務から撤退したこと。葉山に住む人達の所得層を考えて、葉山でケーキ屋をやるという無謀さをくつがえし、今では東京からわざわざケーキを買い求めに来るようになったことなど興味をそそられる。「婿養子だったからこそできたことだと思います。もし私が日影茶屋の長男で、あの家でずっと育っていたらあそこまでの改革はできなかった。」

 私達の会社の社員も、スタバのカップやらバッグを手にしている。英国のハイテクビルの保険会社のロイズ。17世紀当時コーヒーハウスと総称された喫茶店のひとつだったという。そこを溜り場にする男たちが交わし合う情報が一介のカフェを世界最大の企業に育て上げた。喫茶店とはもともとそういう性格を持っている場である。(「京都人だけが知っている」入江敦彦著 蒲m泉社)スターバックスから日本の文化も変わり始めるのかもしれない。

 参考文献「VOICE2月号」(PHP出版)・「京都人だけが知っている」 (蒲m泉社)



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