□  鮎釣り                                  平成14年7月2日



 一昨日、自分の住んでいる地域で一斉に鮎釣りが解禁になった。最近はアウトドアスポーツ人気もあり、前の日から場所取り、県外も含めてかなりの釣り人が訪れた。中学生の頃から鮎釣りをしているからかなりの年季が入っているが、あまり上手になれない。最近は年に2〜3回竿を出せればいいほうだ。解禁日も見物人の1人として参加した。

 毎年7月の何週目かの土曜日には、会社で鮎釣り大会をレクリエーションの1つの行事として催している。協力会社も含めて社員の中にもかなりの数の鮎釣りをする人間がいるので、20年以上もこの行事は続いている様な気がする。釣ってきた鮎をさかなに皆で生ビールを飲む訳だから、かなり雰囲気は盛り上がるし、それだけ楽しい気分になる。数年前までは、隣の県まで鮎釣りの解禁日に合わせて朝早くワゴン車で出かけるほど皆で熱中した。最近は冷水病があったり、釣り人も多くなったせいか、なかなか思うような釣果が上がらない。レクリエーションの鮎も購入しなくては間に合わなくなってきた。

 鮎の‘友釣り’は釣れない人は益々釣れなくなるし、釣れてる人はどんどん釣れる。‘おとり鮎’を上手に泳がせて、1m四方の鮎のなわばりの中に侵入させて、‘おとり鮎’の針にかかった鮎を釣り上げる。釣れない人の‘おとり鮎’は弱ってしまい、川の中の鮎を追うことができない。上手に‘おとり鮎’をポイントに泳がせるために無駄な動きは禁物。糸は切れない程度の軽さの工夫が必要だ。自由に自然に泳がせるために、竿の長さと立て方が重要だ。やみくもに重りをつけて‘おとり鮎’を引っ張りまわすと、マイナス効果この上もなくなってしまう。

 会社の中にレクリエーション大会でいつも一番の釣果を上げる若い社員の鮎釣り上手がいる。聞いてみるといきなり川に入らない。水温を計ることから始め、糸もハリも風の状態などのデータを情報化してから竿を出す。隣の人が釣れなくても鮎釣り名人は同じ場所で確実に釣り上げる。「鮎を釣ろうと思っちゃだめだ。自然が、川が自分に鮎を釣らせてくれるんですよ」(会社の鮎釣り名人の言葉)。データをとり、それを情報化し、知識として活用する。究極の「ナレッジマネジメント」だ。仕事もしっかりできる鮎釣り名人。今年は8月に隣の県まで出かけて天然鮎の釣り方を教わろうと思っている。

  

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