□  多様な入札制度                                   平成14年9月3日



明治33年質を問うより先に価格のみの競争で指名競争入札制度が導入された。足りないものをつくり上げる「量の拡大」の中で中身の論議は受注者を信頼して任せる制度として請負制度が確立したのである。価格が高くても、VEの仕組みと連動した落札会社決定の動きが確実に動き出している。

‘総合評価方式’、「価格以外の要求」と、「価格」の2つを基準に落札者を決定する方式。「価格以外の要求」を加算点方式によって評価し、発注者が決めた最低限の要求条件を満たす場合に得られる基礎点を合算して決定する。数値化するのが難しい場合は、提案内容を優、良、可などで評価し、点数に置き換える判定方式と入札参加者に順位づけして、点数を決定する順位方式などがある。

‘デザインビルド’。設計施工一括発注方式。川上の設計段階から建設工事すべてに関わることが出来、施工者の技術力を設計段階から反映することが可能。海外工事などでは躯体まで、基礎までなどと、段階別発注方式が基本だが、工期と照らし合わせながら、ランプサム(最高限度額)の中で、途中から施工を始めることも可能になる。

‘性能規定発注方式’。発注者側の要求する機能、条件、一性能を満たすことができれば、材料、施工方法は施工者にとって自由な選択の幅が拡がる。例えば舗装工事で舗装から発生する騒音の上限値を提示することによって条件を満たす、材料や施工方法を施工者が提案し、入札に参加する方法として普及され始めている。

‘入札時VE方式’。「森の声」(8月6日)にも書いたが、発注者の示す標準案、入札参加者が提示するVE案でも入札に参加できる案。ライフサイクルコスト全体を考えた上での代替案の入札方式。

’98年2月中央建設業審議会の建議で様々な入札制度改革が打ち出された。建設業にとって透明性、説明責任、不良不適格業者の排除・・・などの動きが現実に加速されている。「量の拡大」の時代は確実に終わった。建設業界は皆で下りのエスカレーターに乗っている状態。途中で降りる事が出来ないと言ってしまえばそれまでだが、小さいながらも確実に技術力を高めていく姿勢、インハウスは勿論、良好なパートナーシップをもったアウトソーシングの体制づくりが求められている。



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