□  オンチ・O脚・いい人・他責化                                   平成14年11月8日



 「スポーツは、健康的で明るく素直な精神と肉体を培うのに役立つ」。プロゴルフの世界は決してそんな事はない。全く逆の孤独なたった1人の身体で覚えるスパルタ競争社会、いくら努力をさせて鍛えても駄目な人は駄目、能力の無い人は置いていく。素質のない人は、早く見切りをつけて脱落していくしかない。見極めが大事。プロのゴルファーを数多く育て上げてきた、テレビでもおなじみゴルフ界きっての理論家のプロゴルファーの話は面白かった、プロの世界の厳しさを教えられた。

 ‘オンチ’。カラオケ上手な人がゴルフはうまくなる。勿論運動神経が発達している事は大事な条件だが、頭で理解して、目で見て、耳で聞いた事を身体全体に素直に伝わって表現できるかどうかがゴルフの学習の積重ね、上達することになる。イメージした通りに、教えた通りに何べんやっても出来ないのは運動神経が悪いだけでなく、マネをする音感、リズム感がないのが原因。筋力の強いプロ野球の選手が、プロゴルファーに転向して飛ばし屋として球を飛ばしても一流のプロとして大成しないのは一言で言えば歌が下手。第一線のゴルファーは、みんな歌がうまい。そういえばテレビのプロアマ芸能人ゴルフ大会、殆んど歌手(五木ひろし、郷ひろみ・・・・)が上位を占めている。自分達の社内のゴルフ大会でもいつまでたっても下手な人は歌も下手。身体の柔軟性も柔らかいのに越した事はないが、堅いプロゴルファーも沢山いる。よくテレビに出てくる小柄な年取ったプロはその典型。身体、運動神経以上に鍛える事が出来ないのは素質としての音感、右脳がいかに発達しているかにプロとして大成できるかかかっている。

 ‘O脚’。和式トイレと‘あぐら’が悪い。日本人の75%は‘O脚’。真っすぐ立って膝の間に手が入ったり、八の字に膝を曲げて座れなかったら間違いなく‘O脚’。‘O脚’は、ゴルフのスウィングする時に身体がブレてしまう。ゴルフの基本は安定した‘X脚’。ブレが出にくいし縦方向のスウィングが出来る。それでも日本のゴルフ界の長老の人達は殆んど‘O脚’。ブレを防ぐために足を広めに開いて安定したスウィングをする。横方向のスウィングになる。タイガーウッズの振り見て、縦方向のスウィングでは、‘O脚’の日本人ではブレてしまう。

 1人で孤独な誰も助けてくれない、自分1人の戦いだからプロゴルフの世界には厳しさがある。生まれもったものに加えて、他人は誰も手助けはしてくれない勝負の世界。簡単にパットのOKを出してはいけない、20cmでも外れる事がある。ラフでのライが悪くても黙って立ち去るくらいのプレーヤーでなくてはならない。‘いい人’、‘いい性格の人’では決してプロの世界では勝ち残れない。‘他責化’。林の中に入った、バンカーに入った、池に落ちた事をくやんで他の所為にしていても始まらない。次の打ち方を自分で考え抜くことが大切。‘オンチ’、‘O脚’、‘いい人’、‘他責化’4拍子揃った人はゴルフはうまくならない。企業組織は厳しさがなくても、チームプレー、何か取り柄がある筈だからなんていって駄目な社員も居心地が良い。過酷な孤独なプロゴルフの世界の厳しさから学ぶものはある。


                                                         (青柳 剛)



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