□風邪をひかない身体                                                            平成26年8月5日


 そういえば今年の冬は風邪をひかなかった。毎年冬になると年末にぐずぐずした体調となり、年明けの1月末頃には決まって寝込むような風邪をひいていた。特に今年は、人が沢山いる会合に連日出席をしていても健康そのものだった。しかもインフルエンザが大流行、会議で隣に座っていた赤い顔をした仲間が夕方熱を出して医者に行ってみるとそのままA型の診断、1日中車の中で一緒だった会社の人も翌日からB型のインフルエンザで休んでいた。それこそインフルエンザウイルスの真只中にいても大丈夫、インフルエンザどころかちょっとした風邪までひかなかった。「うがいの他に手荒いをこまめにした!ヨーグルトのR1を毎日飲み続けた!冬でもビタミン豊富な生野菜を山盛り食べ続けた!・・・」などいろいろな対策が効果を発揮したのだろうと考えられるが、昨年までと特に違ったことと言えば1年間ランニング、「みっちりと走り込み、体質が変わったせいだ」と最近思うようになってきた。

 週初めの月曜日、少しだけ早めの朝の5時15分から走り出した、時間がずれると行きかう人も違う。他の曜日は5時半から6時の間に出発する。真夏なのに標高が高い分だけ空気は冷え冷えとしている。都会のむせ返るようなあの夏の暑さはない。どうしようもない暑さは数日もない。土のにおいと濃い緑が身体全体に浸み込んでくる。「地方に住んでいて良かったあ!」と感じるひと時だ。自宅の目の前、道ひとつ挟んだ1週1q弱の城址公園を殆んど毎日こうして走っている。凹凸はあっても土を踏みしめる感触が気持ちいい。焼けつくような舗装された道路だけを走っている人には、どれをとっても羨ましいような環境だ。信号で立ち止まることもない。公園を何週もぐるぐる回るのは同じ景色の繰り返しで退屈しそうな気もするが、走る距離をその日の都合で調整できるのも良い。時間がなければ3q、平均すれば5q前後だろうか、たっぷり時間のある土日は10q以上走り続けている。

 それでも地元で同じところをぐるぐる走るのんびりした気楽さもあるが、見知らぬ違った環境で少し緊張しながら走るのも楽しい。景色がどんどん変わる楽しさ、見えなかったものも見えてくる。どこかに泊まれば時間を見つけて必ず走っている。出かける時にはシューズとウエアは必需品、先月も碁盤の目のようになった台北の道路を3日間走っていた。その前の週は朝早く、小雨の降る仙台の街中、定禅寺通りから西公園を1時間近く走ってから食べる朝食ビュッフェがうまかった。それでもここ数年、地元以外で走った回数が多かった都市は何といっても東京、東京は歩道がどこもしっかりと幅広く整備されていて走りやすい。年間で数えてみれば30数回になるだろうか、泊まって出かける回数分走っている。信号で立ち止まる回数は多いが、すれ違う人は見知らぬ人ばかり、走ることに集中できる。お洒落にきれいに整備された歩道、どこまでも走っていけるような気分になるから不思議だ。

 目の前の城址公園と東京を組み合わせながら走っている。どちらを走っていてもそれなりに楽しい。筋トレジムに通いだして20年近く経つ、有酸素運動に慣れた身体が走りだすことを容易くした。エアロバイクやステッパーにウオーカーも良いが、外を走る爽快さには代えがたい。歩く速度よりも少しだけ速い速度、気分が乗ってきたらスピードアップもたまにはいい、きつくなってきたら速度を落とせばまだまだ距離を延ばすことが出来る。走り出してから3q位までが辛い時期、それを過ぎれば辛い気持ちも消えていく。雪が降れば流石に走れないが、少しぐらいの雨ならば走り続ける、どうしようもなくなったらアーケードの下を走ればいい。どんなに遅くとも消費カロリーの基本は体重×距離、見る見るうちに体重は減っていく。走ればウエストもすぐに締まりだす。後はアルコールと食事に少しだけ気を使えばいい。この1年で体質は変わりだした。あと数か月で風邪の季節、明日の朝はもう一周多く走ってみようかって気になってくる。


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