□  ガムテープ                            平成14年5月13日



‘ガムテープ’は便利である。強力な粘着力があるからといって放っておくと相手も一緒にはがされて、まことに始末が悪く、みすぼらしい結果になる。便利がいいだけで使いつづけると、忘れてしまった感覚は取り戻せなくなる。

‘ひも’は建設工事現場では必需品だ。命綱とは良くいったものだ。自分の会社の年配の役員が100人ぐらいを前にした会議でひもの結び方を説明したことがある。感心した。一方を引っ張れば、ますます強く締まるが、逆に引くと簡単にとけてしまう。ひもがちゃんと結べないと建設現場では命取りだ。ひもをトラックの荷台に投げ上げて相手方が受け取り、トラックの金具にきちんとしばりつけ、決して荷くずれはしなかった。ゆるめる時は簡単に外れて素早く荷降しが出来たのである。木を伐採する時にもひもは欠かせない。簡単に見えるようだがきちんとくくりつけ、伐採された枝が思いも寄らぬ方向へ倒れることを防いでいる。最近は、建設工事現場でもいろんな簡単な締めつけ道具が出ているけれども、ひもがちゃんと使えないと一人前とは云えない。文化の伝承としての職人の世界が生きている。

困った点を解消し、便利に、中抜けをすることが大きなビジネスチャンスなのだが、簡単な梱包で全国どこでも届けてくれる□□便がいけない。確かに本当に便利になった。どんな荷物でも、ガムテープ1つあれば簡単に梱包でき、受け取ってくれるし、相手に運んでくれる。子供の頃は、国鉄の木のりんご箱を使ったチッキ(手荷物)、郵便局の小荷物でもきちんとひもかけのルールがあり、おまけに荷札が何ヵ所と決められていて、受け取ってもらえなかったし、届いてもグズグズの時があった。梱包がちゃんとできなければ、学生は実家に帰省するのにも、衣類や本が送れなかったのである。

隔週の日曜。昨日はリサイクル廃品回収の日である。2週間分たまった新聞、雑誌、空きビン、きちんと分別して持っていかなければならない。収集場所まで持っていく。まさか若い人の家庭はガムテープで十字にくくっている訳はないと思いながら、良くこんなにたまったもんだと、新聞、雑誌は‘の’の字にしばればきちんとしばれるはずだと悪戦苦闘の末やっと梱包して出してきた。



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