□  名刺                                       平成14年10月14日



 一枚の名刺からはじまる日本のビジネス社会。名刺のやり取りのない日はないと言っても、言いすぎではない気がする。特に建設会社にとって名刺を持って発注者に足繁く通う名刺配りは営業の基本。最近は、受付カウンターの名刺受けに名刺を入れ来訪の意を伝えるスタイルが、通常のスタイルとして定着してきた。それでもFACE TO FACEの際のお互いの自己紹介の第一歩は名刺の交換から始まる。名刺の渡し方、受け取り方は大事だし名刺のデザインも最近は本当に千差万別だ。

“渡し方”。双方どちらかが先に名刺を出すかは、上下関係がはっきりしている場合は勿論、目下の人から先に名刺を出し人を訪ねた時は訪問する側が先に出すのが礼儀。名刺はスムーズに出し入れが出来るように、きちんとした名刺入れは必需品。名刺をむき出しのままポケットから出し入れや財布など他の入れものとの共用では、今一つスマートさがない。訪問先の相手に会ったら立ち上がり、右手に名刺を持ち相手に自分の名前が読めるように出し、会社名と役職、名前まで名乗るのが正しい“渡し方”。

 “受け取り方”。名刺を出されたら、右手で受け取り左手を添えて丁寧に扱うのが基本。「名刺は相手の人格の一部と思え」と言われているように、大切に扱うことが大事であり指先でつまんだり、ましてやヒラヒラさせたり何年か前の報道にあったように折り曲げたりすると、明らかに相手にとって不快感、拒絶の意を表現することになってしまう。複数の人と接する時は、相手の役職、名前を間違いないように打ち合わせ中にきちんと順序よく並べ確認しながら応対するのも礼儀のような気がする。

 名刺のやり取りのない日は殆どない訳だから、情報源としての名刺の整理は大事な業務。何年かすると膨大な量の名刺の数になる。出来ることなら名刺を交換した日時まできちんと書き込んでおくのが良い。最近はカラフルな名刺も増えてきたし、殆ど横使いの名刺が主流、使われる名刺の量も膨大だから環境も考えた上での再生紙もあたり前。「名刺は人格の一部」小さな一歩の積み重ね、やさしい応待からビジネスは始まる。
                                                       (青柳 剛)



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