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 「インターネットを使えば世界を相手にビジネスができる」。インターネットを使えば世界中のどこからでもアクセスできるし注文も来る、IT革命がすべてのビジネスの悩みを一気に解決してくれる。そんな風潮は確かに漂っていたし、今でもそんな空気はあるのかも知れない。本当に広い地球上の荒野に一つの看板を立てただけ。そうは簡単にアクセスはしてくれないし、ましてやビジネスとしてお客が訪れて物を買うまでにはなかなか行かないのが当たり前のことだが現実だ。

 5月から「森の声」を毎日更新して、最近は隔日更新している当社のホームページ。1年半ぐらい前に簡単な気持ちで、地域情報を発信して、ちょっとしたイメージアップの会社案内でも載せておけばといって社内のパソコン通と始めたホームページ。素人っぽいところもあるせいか期待に反して訪れる人は少ない。更新の頻度も少ないし、ましてや汗臭い建設会社の名前では見知らぬ人が訪れる状況には到底ならないのである。せいぜい建設会社のホームページは求人があるかどうか学生がチェックした時にたまにカウントが増えるだけという結末になる。1年も経てばそのほかには社員と関係者だけが訪れるホームページになってしまうし、こうなるともうほとんど更新もされない動きのないそのままのホームページ、一般的な地方の中小建設会社のアクセス数、年間300位の開設状況となる。双方向で「売る」ものがないんだから仕方がない。

 先週、北陸の工学系の国立の大学教授と1時間半ばかり直接会っていろいろな話をした。北海道からの学会帰り、わざわざ新幹線途中下車して改札口で待ち合わせ。勿論初対面。相手は土木の水専門の工学博士。大学の教育方法やら、学生に接する接し方、学術論文の書き方と問題点、行政がつくる工学ハンドブック、仕様書の作る過程の問題点など・・・果ては酒の飲み方まで初対面なのに楽しい時間を過ごした。初対面の人といきなりこんな話になるのも珍しい。元々人脈は大事、外部の違った分野の人達と話をすると参考になることが多いと思っているから、余計に楽しかった。「森の声」の読者であった先生とFACE TO FACEが実現したのである。

 毎日更新、隔日更新しても半年でアクセス数は約5000、年間で1万件、こんなとこかと思っている。はたから見れば膨大の量のエネルギーを「森の声」に投入していることになる。原稿用紙300枚は超えている。それでも普段考えてることをメモ代わりに書いている訳だから気が楽だ。頭の中を整理するにはしっかり役に立つ。住宅分野のホームページにはそれでも定期的に人は訪れるし情報発信とビジネスには結びつく。本屋のホームページは地方にいると本当にありがたい。インターネットは当たり前だが双方向が基本、「森の声」を見て見知らぬ人から長いコメント入りのメールが届いたりすると感激する。中小建設業のホームページ立ち上げ、利点はビジネスから離れたこんなところから始まるのかもしれない。

                                                         (青柳 剛)



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