□  パソコン依存症                                             平成14年12月11日



 依存症にもいろんな依存症がある。アルコール依存、タバコがやめられないのは嗜好品としての習慣性があるから。もともと健康を保つため、ストレス解消のための筋トレ、熱中しすぎだすと少しでも休むと不安でたまらなくなって休む事が出来なくなってしまう。自分の体が壊れてしまう、ぶよぶよになってしまう、依存症の状態に陥っていく。それでも壊れるのは「肉体」だけ。パソコン依存症があるとは聞いてはいたが現実に重症になるほどまでとは知らなかった。

 パソコンや携帯電話がないと不安でいられなくなるのがまずパソコン依存症の始まり。なんでも次の症状が自覚できれば兆候が出ている事になるとの事。
    @ いつもパソコンの事ばかり考え、友人との話題もパソコンの事ばかりになる。
    A パソコンがないと他人とのコミュニケーションがとれない。
    B 休息を取らずにパソコンの作業に没頭してしまう。
    C 物事をイエス、ノーで判断し柔軟な発想が出来なくなる。
    D 他人への思いやりが欠如して他人を見下すような言動を取るようになる。
パソコン依存症が高じるとパソコンの前を離れられなくなって睡眠不足、部屋に引きこもり、食事も仕事部屋、睡眠不足だから会社には遅刻、生の会話がうまく出来なくなり挙句の果てメールでしかコミュニケーションが出来なくなって仕事はもちろん生活上でも支障をきたしだす。ここまで行けばかなりの重症、現実に精神科に通わなくてはならない。

 強制終了でもない限りパソコンは入力者の期待どおりに動いてくれる。人間対人間の付き合いはそうはいかない。常に相手に気を使いながら自分の対処を考えて行動していく。さまざまな人間関係があるのが人間社会。自分の思いどおりにならない、そのまま言う事を聞いてくれない、顔の表情を見ながら話の内容も変えていかなければならない。コミュニケーションが大事。例えば約束をキャンセルするのにもメールで断りを入れるのは簡単、FACE TO FACEで断るのは大変でも顔を見ながらだから自分で断り方、対処を考える。裏切られない、自分の思いどおりになる機械の世界、もう少し言えばストレスがない世界、楽な世界にのめりこんでいく事になる。極端な話、連絡事項は一番簡単なメールだけ、隣に座っている人とのやり取りもメール、そして人と合う回数も減ることになる。

 筋トレに熱中しても疲労度が増すから限度はあるし、壊れていくのが「肉体」だから終わりはある。コミュニケーションがうまく出来なくなってしまうパソコン依存症は「心」が壊れてしまうから終わりがない。パソコン依存症にかかりやすい人は凝り性。孤独なバーチャルの世界に引き篭もって行く。パソコンはもともと作業のスピード化と省力化の「道具」。パソコンが進化したおかげで逆にパソコンに向かって作業する時間が増えるというのもおかしな話。「道具」だから会社を出たらパソコンに触れない、例えばこんな決め事を自分なりに作らないと依存症スパイラルに落ち込んでいってしまう。手書きにこだわる「森の声」、書き手と読み手の間に生まれる「曖昧さ」を目指している。

 「参考。人間力を弱めるパソコン依存から逃れよ。(関谷 透)PRESIDENT2002.9.16」

                                          (青柳 剛)



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