飲んではいけないこの薬                                         平成17年1月14日



 そりゃあ、医者でもないのに勝手に自分の身体の状態を判断するのは止めたほうが良いのは分かっている。ビートたけしの「最終警告!本当は怖い、家庭の医学」のテレビ番組みたいになったらたまらない。そうは言っても、かかりつけ医に行ってさえ症状をきちんと伝えられなければとんでもない事になる。歳をとれば、あれやこれやといつも考えるのが自分の身体。若い時にはなかったこと。そう、当たり前の事だが「自分の身体は自分で守る」、「自分の身体は自分が一番良くわかる」。「医療は参加するもの」とは、この二三ヶ月間の自分の罹った病気を考えれば充分頷ける。自分の罹った病気の原因は、しっかり自分で探ってみる必要はありそうだ。

 11月15日の大阪行き。新幹線に乗っていても身体が痛い。座席に座っているだけでイライラする。二、三日前の筋トレの所為かも知れないぐらいに考えていた。大胸筋中心に筋トレをやったから胸から手先まで痛い。もちろん食欲もない。ところがだるい身体を引きずりながら大阪に着いたら出てきたのが湿疹、手のひらに出てきた。まずい、薬疹、肝臓でもやられたのかも知れない。そう思った二日後、医者に罹ってみると右胸半分から手先までの「帯状疱疹」とあっけない診断。身体は、とんでもなく痛い。寝ても起きても身体のやり場に困るとはこの状態。そういえば、振り返ってみれば「帯状疱疹」の原因となるストレスはこの一ヶ月間本当に多かった。徹夜明けにそのまま大連に出かけたり、大阪行きも殆ど寝てなくて出発した。身体が弱っていた。おまけに歯医者の治療の身体への負担も大きかった。二時間二十分の治療台は消耗した。そして、もらった薬が抗生物質。あっという間に弱った身体の中から、潜んでいたウイルスが動き出して罹った「帯状疱疹」。

 ビタミン剤を飲みながら何とか直りかけた「帯状疱疹」。その後に身体に取り付いた痛みが「帯状疱疹」をはるかに超えた12月始めの「痛風」の発症の痛み。これまた耐えられない。痛くて靴も履けない状態にあっという間になってしまった。二百人の会議の進行役なのに欠席、結婚式まで当日キャンセルの不義理をしてしまった。「痛風」は他人に言いにくい病気。言ってもろくなコメントしか返ってこない。必ず、酒の飲みすぎ、美味いものの食べ過ぎの贅沢病といった顔をされる。今回はなぜかおかしい。酒も殆ど飲まなければ、食習慣は菜食中心に続けてきた。激しい筋トレもしない有酸素運動中心の生活を送ってきたのに罹った「痛風」。思い当たる原因はひとつだけ、「帯状疱疹」後のビタミン剤が悪い、しかもビタミン豊富なのは良くてもビール酵母を凝縮した成分が尿酸値を高めた結果の「痛風」発症。

 今週号の「サンデー毎日」(1.23号)の特集が二週続けて「飲んではいけないこの薬」特集。見事に書いてある。ビール酵母を含む健康サプリメントは「痛風」に禁。健康サプリメントといっても何でもいい方向に働くとは限らない。知らない事は恐ろしい。健康サプリメントだって身体にマイナスに作用する。真面目に十五錠ずつ三日間飲み続けた挙句に出た「痛風」。多分「帯状疱疹」の引き金になったのも飲み続けた強い抗生物質だったろうし、「痛風」の原因は、ビール酵母。医者でもないのに勝手に自分の身体の状態を判断するのは止めたほうが良いのは分かっている。身体の痛みは、分かりやすい危険信号。「自分の身体は自分で守る」。薬は思った以上に身体にいろんな効果を及ぼす。それとも、薬の力に勝てなくなった歳になったという事か・・・・・・。 さあ、筋トレにでも行って見よう、若さと汗が止め処もなく噴き出してくる。

                                          (青柳 剛)

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